〜楽天市場と店舗との深い溝 第四話〜
一昨日はECコンサルタントと楽天広告の話に触れたが、
もう少し詳しく書きたいと思う。
楽天市場に出店するだけでそれなりに集客できた時代は、
はるか昔、古きよき時代の話だ。
今やその数2万店ある楽天王国では、
その名称からは想像できない弱肉強食の競争社会が繰り広げられている。
そんな中、ある悩んでいる店舗がECコンサルタントに相談をしたとする。
答えはたいていこうだ。
「早く売上を上げるには広告が一番です。
広告でドカッとかまして少しずつメルアドリストを拾っていく、
これしかないです」
長年のデータベースから分析した結果、
これが楽天で成功する王道マーケティングということだろう。
私も正論だと思う。
(※商品力などはまた別問題)
楽天市場の収益は、店舗から徴収する利用料だけだと思われがちだが、
広告収入が相当なウエイトを占めているようだ。
確かに利用料も高い。
パンフレットでは「52,500円+従量課金0〜4%」となっていて
単純に計算するとそう大した額にはならないが、
実際に出店してみるとイメージの数倍は徴収されると見てよい。
(詳しい説明は割愛)
しかしこれでも楽天市場からすると、
「これだけ優れたインフラを提供しているのだから」という。
以前楽天大学の学長と居酒屋放談会の機会があったが、
曰く、「システム維持費、開発費、ブランディング費用など
ランニングコストは相当な額」とのこと。
そんな中で楽天市場が創造したドル箱はまさに、
「広告収入」と言えるだろう。
ほとんどの店舗がなけなしのお金をはたいて高額な広告に申し込む。
それが何より成功への近道と教えられるからだ(事実なのだが)。
しかし潤うのは楽天市場本部だけ。
ほとんどの店舗は赤字、よくてもトントンで運営しているのが実情だ。
一方ECコンサルタントのノルマは、広告売上は考慮されない。
正確に言うと「考慮されなくなった」らしいのだ。
(月間、年間ともに売上NO.1の楽天ショップ店長から直接聞いた情報)
彼らの評価はあくまで店舗の売上。
恐らく担当店舗総売上高と、昨年との対比率(サクタイという)で評価されると予想できる。
従ってECコンサルタント的には、
しょーもない店舗に黄金の広告枠を独占されるより、
売上が更に伸びそうな店舗に提供したいという本音があるのだ。
楽天市場的にも見込みのある店舗にドンドン売上を上げてもらった方が
効率的に流通総額を上げることができる。
ある意味当然ともいえるこの”本音”が、
楽天市場内の格差をより広げていると言えよう。
つまりwin-winを築ける店舗は一部だけ、
あとは年貢を納める農民ショップという楽天法則は、
永続的に維持されるのだ。
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スキマクリエイティブ株式会社
代表 北川敦浩
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